MFT2017 に磁性流体でできた黒い生命体で出展
8月の5、6日と2日間、東京ビックサイトで開催されたMaker Faire Tokyo 2017に出展しました。
我々の予想以上に多くの方に体験していただくことができました。
■ 出展まとめムービー
■ 作ったものはこんな感じ
会場内では磁性流体業者と思われてる方もいらっしゃるようでしたが、違います(笑)
→ 普段の制作物についてはこちら ジュニのクリエイティブのご紹介
今回出展した磁性流体に関する制作について、いろいろネット検索したものの有効な情報があまりなく…
いろいろ試してみたこともあるので記録としてここに残しておきたいと思います。
【Maker Faireまとめ】磁性流体 編
磁性流体を、磁力に反応させて液体の中で“気持ちよく動かす”ためのポイントをいくつかご紹介したいと思います。
■使用する磁性流体選定
今回の磁性流体の生命体(以下、便宜的に黒すけ)のコンテンツは水中で移動することを前提としていたので、水中でガラスに付着しづらい「DS-60」という製品を利用しました。
DS-60は株式会社シグマハイケミカルさんのサイトから購入出来ます。
>販売ページ(http://www.sigma-hc.co.jp/cart/catalog.html)
■磁性流体を入れる容器
■容器洗浄
※すみません、ボロボロですね(笑)
■純水(精製水)
■食器洗い用洗剤(キュキュット)
この食器洗い用洗剤はガラスの容器を洗うため…ではなく別の用途で使用します。ガラスの容器に純水を溜め、そこに磁性流体を入れると水面に磁性流体の一部が浮き上がったまま沈まず滞留してしまいます。この”汚れ”部分を洗剤を水面に1滴垂らすことで綺麗にすることができます。
私たちとしては洗剤の中でも「キュキュット」をオススメします。キュキュットは他の食器洗い用洗剤の中でも界面活性剤の比率が高く磁性流体自体の動きも非常に良くなります。
以上が磁性流体を気持ちよく動かすためのポイントです。
コイル+回路 編
今回のコンテンツの裏側部分、コイルと回路の説明をします。
まずは最終的な形から紹介していきます。
■コイル
Twitterなどでもすごいと言っていただいた全体配線です。今回、基盤作成やハンダの時間も取れなかったのでブレッドボードでの実施となりました。
ここからは使用したパーツ類です。ほとんどが秋月電子通商さんと千石電商さんで購入できます。
12V4.3Aのものを使用しました。
トランジスタ
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C3851A
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1個
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C1815
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1個
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A1015
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1個
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ダイオード
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1S3
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1個
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セメント抵抗
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1Ω5W
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1個
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抵抗
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510Ω
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1個
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2KΩ
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2個
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10KΩ
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1個
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100Ω
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1個
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コントローラー・ホログラム表示 編
まずは、磁性流体に映像を投影する仕組みの部分から説明します。
▲ ざっくりシステム構成はこんな感じ
失敗したこと① 磁性流体も作ろうとした
まず、失敗したのは、磁性流体自体を作ろうとしたこと…。具体的にはMakerのサイトにも磁性流体を磁気テープから取り出す説明のページがあります。
参考:磁性流体を作ろう
こちら、ものすごい難しかったです。実際に磁気テープを購入し、アセトンで分解してみようとしたのですが、全然うまく磁性流体を生成できませんでした…。うまくやればできるかもしれないのですが、中途半端にやろうとすると、アセトンも磁気テープも別に安くないので…精度の高い磁性流体を入手するのであれば…買ったほうがよいです…。
MakerFaireなので、全部作ろうと意気込んだのですが、まずここでつまづいていました…。
惨事の後。苦労したけど全然磁性流体、生成できなかった…
悲しい磁気テープの残骸…。早めにこの作業を切り上げて、磁性流体を購入に切り替えました。
失敗したこと② ソレノイドでやろうとした
9万回のコイルを巻くことを恐れた私たちは、途中なんとか違う方法はないかと検討しプッシュ型のソレノイドに磁石をつけ、磁性流体を操作するという案を考えました。
6個ほど自作したところでテストを行ってみたのですが、磁石自体の強さを調節することが出来ないため距離間隔の調整が難しく、磁性流体を素早く扱うことが出来ませんでした。
ボードまで作って試験してみましたが…どうにもうまく磁性流体を操れませんでした…。
来年も、ぜひ出たいです。
苦労もありましたが、いろいろな人と交流もできて、とても楽しめました。来年も、ぜひ出展したいと思います!!